11月に入りいよいよフルマラソンのシーズン到来。レースまで残り10日間・1週間と迫った方も多いのでしょうか。
春先にシーズンが終わるとともに次のシーズンに対しての目標を定め、夏のクソ暑い中でスピード練習を行い、秋、涼しくなった頃を狙って長距離に慣れて、いよいよフルマラソンのシーズン開幕といったところですね。
この時期は本番に最高の体調で本番を迎えられるよう、徐々にトレーニングの負荷を落としていきますが、どういったトレーニングと食事を行うのがベストなのかを考えてみました。
フルマラソンレース前10日間・1週間のトレーニングと食事について
必要のない事と避けたい事
まずレース前10日間のトレーニングにおいて避けたい事についてですが、レース前のわずかな時間で無理にトレーニングを頑張ったところで早く走れることはありません。
これまで練習不足であったり心配性のランナーに多いのが、1週間前の週末にドカ走りして体に疲れを溜めてしまったり、最悪、怪我をしてしまいレースに参加できなくなってしまうケース。
不安な気持ちはわかりますが、フルマラソンは半年・1年という長期スパンで計画を立ててトレーニングを行なっていくものであって、ラスト1週間だけで強くなることはありません。とにかく無理はしないで疲労を抜くことに専念しましょう。
最終1週間に関しては、「いのちだいじに」の考え方で進めるのベストです。
また、コンディション(体調)についても同じで、理想なのはレースの際に普段通りの元気な状態で挑めるのがベストです。レース前は最善を尽くそうとするあまり、例えばカーボローディングなど普段行わない事を取り入れてしまい本番で体調が優れずに痛い目に合うといった話もよく聞きますので、基本的には自然体で挑みたいですね。
レース10日前のトレーニング
レース10日前のトレーニングについて、ランニング雑誌などを読むと「レース前数日は休足に専念すると」いった記事も見かけますし、「本番前日まである程度のトレーニングをメニューとして組み込んでいる」という雑誌も見かけます。
私の経験では、フルマラソンに参加し始めた頃はレース前3日間は休足して足の疲れを全て抜いてレースに挑んでました。この場合、レース本番での足は非常に軽くスタートから気持ちよく走れるのですが、気持ちよく走りすぎて後半足が終わってしまう傾向にあり結果としては良い結果を得ることはできませんでした。
軽く気持ちよく走れる足を抑制して走ることができれば良いのですが、フルマラソン本番では気持ちも高ぶってしまい、自分を抑制するということが非常に難しいというのも事実です。
そういったことから、レース前数日間休足を入れて全く疲労のない状態を作ることは辞めて、普段の練習においてペース走や長距離走など負荷の高いポイント練習を行える状態よりちょっと軽いくらいのコンデションに持っていくことを目指すようにしています。
余談ですが小出義雄さんの著書「マラソンは毎日走っても完走できない」にて、鈴木博美選手、高橋尚子選手というフルマラソンメダリストのレース前10日前間のコンディショニング概要が記載されていました。
鈴木博美選手の1997年アテネ世界選手権前10日間のコンディショニングでは、前の週金曜に30kmタイムトライアル、月曜に25kmビルドアップ、レース3日前の木曜には全力走(5km)を行なっています。アテネが8月の残暑に加え後半30km手前からアップダウンが待ち受けるコースであったため、あえて足に疲労を残し重たい足を作ることでレース序盤のスローペースに合わせるといった手法を取られたようです。
また、高橋尚子選手の2000年シドニー五輪前10日間の内3日間はしっかりと追い込んだメニューを行なっておりますし、2人ともこの10日間において完全な休足日はなく、負荷をかけない日でもジョグを行なっています。
いずれもトップアスリートのコンディショニングですから市民ランナーに真似できるものではないのですが、レース間近であってもトレーニングは続けて完全に疲労の抜けた状態では走っていないということですね。
そういったことも含め、私なりのレース前10日間のトレーニングメニューを組み立ててみました。
レース前10日間のトレーニングメニュー
土:10kmペース走(Mペースよりキロあたり10秒早め)
日:60分ジョグ(疲労抜き緩ジョグ)
月:14kmペース走(Mペース)
火:20分閾値走(Tペース)
水:45分ジョグ(Eペース)+流し3本
木:休足
金:30分ジョグ(Eペース) + 1km×2本刺激
土:休足 or 30分ジョグ(緩めの調整ジョグ)
日:レース
Iペース1:33/400m、3:55/km、
Tペース4:15/km
Mペース4:31/km
Eペース4:56〜5:34/km
ポイントとしては、夏場はスピード練習、秋は距離練習を中心に行なってきたので、もう一度夏場のスピード練習を思い出す感じで、インターバルと閾値走を取り入れて心拍を最大に近いところまで高めるとともに、Mペース前後でのペース走を2回取り入れました。火曜日までは高負荷、水曜以後レースまではEペースでのジョグ+刺激程度として負荷を落として本番を迎える作戦です。この10日間で定期的に刺激を入れられますので、疲労は完全に抜けてなくともキレのある状態で本番レースに挑めるかと思います。
トレーニング時もトレーニング時以外も基本ランニングタイツ着用で
なお、この時期のトレーニングでは怪我は絶対に避けたいので、足に違和感が出たら即練習はストップし、練習ではサポート力の高いランニングを履くようにします。
CW-Xのジェネレーターモデル。サポート力の高さは圧倒的で、負荷の高いトレーニング時には必ず履くようにしています。
また、ランニングタイツに関しては、ランニング時だけでなく、通常の生活時にも履くようにしています。11月に入り気温が下がってくると、ちょっとしたことで膝を痛めたりしてしまうのでそういったリスクを減らすためです。
CW-Xジェネレーターモデルはサポート力は高いものの、分厚くて普段の生活で履くには難しいので、普段ばきとしては薄くて動きやすいC3fitを着用しています。
食事について
レースが近くなってくると話題になってくるのが、レース前の食事について。
マラソンは、同じ筋肉量であれば体重が軽い方が絶対的に有利なスポーツであるため、普段は食事にこだわり暴飲暴食をしないランナーが多いと感じますが、普段食べたいものを制限しているランナーにとって神格化されているようなキーワードが「カーボローディング」というもの。
カーボローディングとは、フルマラソンで大量に必要な運動エネルギーとなるグリコーゲンを、通常より多く体に貯蔵するための運動量の調節および栄養摂取法です。
具体的には本番レース1週間前から糖質制限を行い高タンパクな食事にする。そして本番2,3日前から米やパスタ、ラーメンなど炭水化物を多めの食事に切り替えて体内のグリコーゲン量を増やすというものです。
カーボローディングを行うことで、体内のグリコーゲン量が増え、フルマラソン後半のエネルギー不足を防ぐことができますので、マラソンなど、長時間動き続けるような持久力が必要な競技では高い効果を発揮すると言われています。
しかし、食事管理について素人な私のようなランナーがカーボローディングを試してみると、失敗に終わることが多いのが実情。何度か挑戦してみましたが、無駄に体重が増えてしまい体が重たくなったり、便のバランスが崩れてしまい、レース本番でのトイレ事情を抱えてしまったりと良いことがありませんでした。
そもそもの話ですが、カーボローディングを行う必要のあるマラソンランナーは、補給食を持たないで走るトップランナーのみであって、補給食を持参して食べながら走れる一般的な市民ランナーにはさほど必要のない行為であったりします。
カーボローディングで無駄なリスクを増やすよりも、補給食を用意して決めた時間や距離ごとに摂取していく方が効率的だと思います。
もし、どうしてもカーボローディングをやりたいのであれば、普段通りの食事をベースにして、エナジージェルを1日1,2本追加で飲む程度が体のバランスを壊すこともなく良いと思います。
ちなみに日清食品の佐藤悠基選手はカーボローディングでMAURTEN (モルテン) DRINK MIX 320を愛用しているようですね。
こちらの動画参考になるのでご覧ください。
私もカーボローディングは行わず、平常時と同じ食事+ジェル1,2本程度でフルマラソンに挑む予定です。
2 件のコメント