ナイキの初心者向けランニングシューズ「ナイキ エア ズーム ペガサス 38」です。
シューズ名に38とあるように、1983年にペガサスが発売されてから38代目という超ロングセラーで、ランニングを始めたばかりのランナーからフルマラソンの完走を目標にするランナーがターゲット。
私は調整ジョグ用に足の負担がかからないシューズが欲しいと思い購入しましたが、実際に履いてみると驚くほどのクッション性があり、安心して走れる感覚を持ちました。
私自身すでにサブ3~サブ3.5のランナーであり、年間3000km前後走っているため、足がそれなりに出来上がっています。そのためランニング初心者目線での体験・感想記事は書けませんが、私のような中堅層ランナーがペガサス38を履いてどう感じたかをレビューしていきます。
目次
ナイキ エア ズーム ペガサス 38 レビュー
まずはエアズームペガサス38のデザインや特徴からお伝えしていきます。私はペガサスシリーズを履くのは今回の38が初めてのため、ペガサス37との変更点や比較を書くことは出来ません。
ミッドソールにはナイキ リアクト フォームが採用されます。リアクトを使用することで、価格を抑えつつ、クッション性と反発性を担保し、スムーズな体重移動を実現しています。
サイズ感と履き心地
まず、エアズームペガサス38のサイズ感について。
私はアディダス、アシックス、オン、ナイキなどのランニングシューズを履いていますが、ナイキ以外は26.5cm、ナイキのみ27.0cmを履いています。ナイキのシューズは他のメーカーのシューズと比較してワイドが細身に作られているように感じられる為です。
つま先は余ってしまいますが、紐で調整して走っています。
エアズームペガサス38も他のナイキと同様27.0cmでジャストでした。
履き心地はソフトで柔らかく、足全体を包まれ守られているような感覚に陥ります。そして温かいぬくもりを感じます。
公式では通気性の良いアッパーと書かれていますが、最近のシューズは通気性の良さのレベルが桁違いに高いため、エアズームペガサス38は正直良くなです。
逆に他の通気性に優れたランニングシューズを履いた後でペガサス38を履くと、暑苦しく感じます。
ただし、足の保護や寿命を考えると、エアズームペガサス38のような厚手の素材の方が良いのかもしれません。
また、普段200g前後と軽いシューズを履くことが多いため、280gという重さもそれなりに感じられます。シューズの重みを振り子運動に活かした走り方が良いかもしれません。
走行感
実際に走ってみた感想ですが、ペガサス38は長寿命のシューズなのか、シューズをおろしたての時に感じた走行感と、100km・200km程度走ってから感じる走行感がだいぶ違うように感じました。
おろしたて時の走行感
まず、シューズを履いて真っ先に感じるのがクッショニングの良さでした。
特にかかとから着地した際のクッショニングの柔らかさには本当に驚かされました。
ランニングの着地では強い衝撃を受けますが、ペガサス38のクッショニングによりしっかりと衝撃を吸収してくれることが感じ取れます。
まだ足が出来ていないランニング初心者や、ヒールストライク着地のランナーには素晴らしい効果を得られると感じます。
ただ、フォアフット寄りの走行に関しては良さを感じられませんでした。
シューズが柔らかいせいで、本来反発を貰うべきポイントでシューズが曲がってしまい、蹴る力を吸収されてしまうような感覚に陥りました。
100キロほど走った後の走行感
おろしたての頃はかかと部分の非常に柔らかいクッショニングを感じたペガサス38ですが、100キロほど走ると走行感が異なってきます。
最初は柔らかすぎると感じたミドルソールがこなれてくるのか、柔らかすぎたクッショニングが程よい硬さのクッショニングに変わってきます。
そのおかげで、最初は緩めのジョグ以外に使い道を感じられなかったのですが、ミドルペース(私でキロ4:30~5:00程度)でのランニングも心地よく走れるようになりました。
フォアフットで走っても、最初に感じていた柔らかすぎるが故の妙な歪みも感じられなくなりました。(自分自身が慣れてしまったのかもしれませんが)
ナイキと契約しているトップランナーが、練習でこのシューズを履くのはそういった事からかもしれませんね。
雨天時・路面が濡れているときの走行感
ペガサス38は乾いたロードでの走行においてはグリップ感も抜群でストレスなく走れますが、雨天時、路面が濡れている状態でのグリップ感は正直心もとないと感じました。
シンプルに滑りやすいです。
特に下り坂などはグリップが欠けて不安定になりますので、注意して走る必要があります。
また、アッパーの素材的に水分を吸収しますし乾きづらいですから、雨天時の走行は向いてないと感じました。
ペガサス38の走り方
ペガサス38は初心者をターゲットにしている為、基本的にはヒールストライクでの着地もしくはミッドフット着地のランナーに合うシューズです。
フルマラソンなど長距離を走るレースでは、いかに体力を使わずに前に進められるかがポイントになります。
ペガサス38は重みのあるシューズですので、自らの走力で足を回していくような走り方は向きません。
反対に前傾姿勢で、シューズの重みを活かして振り子のような感覚で足を前に進めていく走り方が適しており、うまくハマると、長く、体力を使わずに走り続けられるシューズだと感じます。
また、中堅ランナーに関しては、普段ペガサス38で走っていると、そのあと反発性の高いシューズに履き替えた際に、より恩恵を受けられます。
自分自身の足による反発をトレーニングするという観点では良いシューズだと感じます。
ペガサス38の耐久性・寿命
ペガサス38は、ミドルソールの素材・厚めのアウトソール・シューズ全体のつくりからして高い耐久性を感じます。
ランニングを始めたばかりの方は、シューズのサイクルを長くしてしまう方も多いはずで、メーカー側も出来るだけ怪我を防ぐ配慮がなされた作りでもあるのでしょうね。
200km走行時の劣化状態
200km走行した状態ですが、シューズ全体のディテールによたれは見られません。
私はフォアフット寄りの走りになりますが、最も負荷のかかる部分でも若干のすり減りが見られる程度です。
ミドルソールの状態。ナイキリアクトは耐久性が非常に高いと言われてますが、横しわなどもなく新品とほぼ変わらない状態です。
400km走行時の劣化状態
続いて400km走行時の劣化状態です。まずは横からの写真ですが、さほどミドルソールに「しわ」は入っておらずミドルソールの耐久性的にはまだまだ大丈夫そうです。
続いてアウトソールの状態ですが、上の写真のようにパット見た感じではあまりすり減っていません。
クローズアップしてみてみると、濃い紺色の部分が少しすり減っている事が見受けられますね。
この記事メンテナンスをしているタイミングで、すでに500km近くの走行をしていますが、靴の性能が低下しているようには感じられず、まだまだ活躍してくれています。
600km走行時の劣化状態
続いて600km走行時の状態ですが、多少へたってきたようには感じられます。
アウトソールもすり減りが目立ってきたのが伝わるかと思います。
とは言いつつまだまだ現役で普段のジョグでは全く問題なく走れています。
濡れた路面ではより滑りやすくなってしまった為、履くのは控えていますが、天候の良い日のジョグであればまだまだ現役でいられそうです。
700km走行時の劣化状態
700kmを走ったエアズームペガサス38です。
着地ポイントのすり減りは目立つようになりましたが、ミッドソールにしわが入ってきた部分も見受けられますが、まだしっかりとしたクッショニングを得られますし、日々のジョグであれば何ら問題なく走れる状態です。
改めてこのシューズの耐久性の高さを実感致しました。
耐久性として、800km~1000km程度までは走れそうですが、他のシューズも履きたいしエアズームペガサス39が登場した際の比較用にも残しておきたいので、このシューズを履くのは一旦終了とします。
長い期間練習にお付き合いいただいて感謝でした^^
まとめ
ナイキの超ロングセラーシューズであるエアズームペガサス38を紹介してきました。
私の感じたペガサス38は、足をしっかり保護しつつ長く走るためのシューズに仕上がっているということです。
ターゲットはランニングを始めたての方から、フルマラソン完走を目標にするランナー。またはサブ4までのランナーです。
一方すでに足が出来ているランナーに関しては、LSDや緩めのジョグ、また走りたいけど足に負荷を掛けたくない(調整ジョグ)などのシーンで活躍するシューズです。
デザインが気に入れば普段履きやウォーキングシューズとしても良いかもしれませんね。
エアズームペガサス38に向いている方・向いているシーン
- これからランニングを始めようとする方のエントリーシューズ
- フルマラソン完走を目指すランナー
- 普段のジョグやウォーキング
- 1足で長距離・長い期間練習を積みたい方(耐久性が高い)
エアズームペガサス38が向かない方・シーン
- サブ4以上を目指すレース本番
- マラソンペースよりも早い速度で走るペース走やポイント練習
- 雨天時の走行
ランニングシューズとしてのメリット・デメリットはありますが、ターゲットをしっかり絞られたシューズであるとともに、用途においては大活躍シューズです。