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ズームフライ3レビュー・グングン前へ進んでいく感が素晴らしいナイキ厚底シューズ・履いた感想・走り方

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ズームフライ3

ここ数年、厚底シューズが盛り上がっており、レースの上位はほぼナイキの厚底シューズを履いているなんて風景も目立ちます。

厚底シューズは流行りに乗っているみたいなので履きたくない。時代が厚底でも、時代に逆行して薄底シューズで上を目指してやる!

なんて思い、アシックスのターサーやアディダスのアディゼロなどの薄底シューズを履きつつも、やはりヴェイパーフライネクスト%やズームフライ3が気になるなんて方も多いのではないでしょうか。

私も以前はナイキの厚底には手を出さない(意図はない)と決めていましたが、ズームフライ3やヴェイパーフライネクスト%などを履いた瞬間に他では味わえないナイキの素晴らしさを体感したクチです。

この記事ではナイキの厚底シューズであるズームフライ3を、デザイン仕様面・サイズ感・走り方や走行感といった観点から評価・レビューします。

ナイキ(NIKE) ズームフライ3 ランニングシューズ AT8240 305 アクアラッシュ コレクション 駅伝 レースシューズ 厚底 カーボン (メンズ)

ナイキズームフライ3レビュー

改めて、ナイキの厚底シューズズームフライ3です。

ズームフライ3が発売されたのは2019年7月で、発売から約2年が経過しているのにも関わらず、継続的に新色が発売され続けるほどナイキのランニングシューズの中でもロングセーラーとなっている人気シューズです。

厚底シューズって普通かっこ悪くなるのが定説な気がしますが、ズームフライ3はとにかくかっこ良いです。変則的なディテールも良いし、素材との一体感も素晴らしい。洗練されていてさすがナイキって感じがしますね。

ズームフライ3を真横から

かかとから指の付け根辺りまでの厚底部分と、そこから指先へ向けて反り返っている形状が特徴的。

かかと部分の高さは4.3cm前後
土踏まずあたりが一番厚底になっており、4.4cmの厚みがある
趾球あたりの厚みが3.3cm程度でここから一気に反りかえるデザイン
ズームフライ3に採用されたミッドソール素材「ナイキリアクト」
走ると驚くほどの弾力性を体感できる

従来モデルのものよりも厚くなったミッドソールには、「ナイキ リアクト」が採用されており、柔軟でクッション性にすぐれたミッドソールにカーボンファイバープレートを内蔵することで、これまで体験したことのないような推進力を与えてくれます。

後ろから
アウトソール部分

アウトソールにも大きな改善があり、かかと部のラバーパーツのデザインが変更し、アウトソール前足部の刻みが深くなったことでグリップ力を高めています。

アウトソールのフロント部分
フロント部分をクローズアップすると、一つ一つの島(四角)に対してさらにタイヤのような溝が埋め込まれており、グリップ性の高さが伝わってきます。
重量は27.0cmで264g程度

重さの数字だけ見るとやや重めに感じますが、実際に履いてみると足全体にまとわりつくようなフット感があり、重さを感じることはありません。

ズームフライ3より新しく採用された軽量な素材から構成される2層構造のアッパー

このアッパー素材は、外部から水が浸入しづらいので悪天候時のレースでもアッパーが水分を吸収せず、シューズの重量が増えることを最小限にしてくれているようです。

内側の素材はとても通気性の良い素材となっている

サイズ感と履き心地

ズームフライはシュータンが伸縮性のある素材で足全体を包み込むような履き心地になるのが特徴

さて、ズームフライ3のサイズ感と履き心地について。

普段私が履いているランニングシューズは26.5がベースです。

普段履きのシューズが25.5cmで、それと比べると1.0cm大きめのシューズを履いています。26.0cmでもゆとりを持って履けるのですが、長距離走っていると当たる部分が出来てしまい皮がむけたり、マメができてしまうため、26.5cmにして紐で調整する形で運用しています。

ナイキ以外に、アディダス、アシックス、onなどのランニングシューズを履いていますが、全て26.5で統一出来ています。

ズームフライ3のサイズ感に関しては、最初に履いた感触としては26.5cmで問題ないかなと感じ、走り込んでいたのですが、他のメーカーのシューズよりもナイキは少しきつめのようで、走り終わった後で痛みを感じる傾向にありました。

試しに27.0cmを履いてみたところ、つま先部分は少し空いてしまいますが、横幅がタイトなせいか緩くは感じず走行しても違和感はありませんでした。ズームフライ3に関しては、普段履いているランニングシューズよりもさらに0.5cm大き目が私の場合は走りやすいです。

かかとに部分に出っ張りを作ることで、かかと周りのフィット性能を高めている。

走り方・走行感について

さて、ズームフライ3を履いてみると、他のシューズとの違いが明らかにわかります。

まず最初に感じるのが柔らかいクッションです。

ズームフライ3には、ナイキリアクトフォームという柔らかく良く弾むミッドソール素材が使われていますが、このリアクトフォームのクッショニングは本当に素晴らしいです。あわせてリアクトフォームは耐久性も高いため、練習用のシューズとしても最適です。

二つ目に高い反発力です。

リアクトフォームでカバーされたソールの層にカーボンファイバー製プレートが挟まれており、このプレートが走行時にシューズの内側でバネのように機能し、反発力に貢献します。

最後にシューズ形状によって足を前に出すタイミングで、かかとからつま先へと力が移動していく中でカクンと前に転がるような感覚です。

これは普通に歩くことがちょっとした違和感に感じるほどで、語彙力なく恐縮ですが初めて履いた時は、「おー!!」となりました。

実際に走りはじめてみると、シューズの力によって前に進んでくれている感触をしっかり感じることが出来ます。

柔らかく沈み、しっかりと弾むとともに前へと転がる

そんな言い回しが良いかもしれません。

下の写真はズームフライ3での走行テスト。

4:36/kmで20キロ、4:43/kmで20キロ、5:18/kmで16キロ、6:35/kmで15キロなどといくつかのペースパターンで走行しましたが、どのペースでも前に進んでいくという感覚を得ました。

ズームフライ3を履いて走ると、シューズの特性によって普段通りの感覚で走っていても、よりスピードが出ていますし、またスローラン時は前に進むのを自分が抑え込んでスピードを落としている。そんな印象を感じさせます。

なお、ズームフライ3の走行感では、

  1. 自然と前傾姿勢となり、坂道を降っているかのような走り心地
  2. フォアフット寄りの走りに自然と強制
  3. スピードがないランナーが使用すると機能を活かしきれない

と言った評価を耳にします。

私が感じたのは、
1はまさしくその通り。前へとどんどん進んでいく感覚は坂道を降っていくような錯覚に陥ります。

2についてはそうは感じません。私はフォアフットでもヒールストライクでもどちらでも走りますが、ヒールから入った際の着地時の衝撃吸収(クッション)、そして前へと進ませる反発という連動が感触として伝わってきて、これぞズームフライ3の走行だと感じさせます。フォアから入っても走りやすいのも事実ですが、決してフォアよりになるシューズではない気がします。

3についてはなんとも言えません。私の走行では4:10/km〜6:00/kmの速度で走りこんでみましたが、どの速度帯でもそれなりの効果を得られているように感じます。キロ4分台ではダメ、少なくともキロ3分台で走らなければズームフライ3の性能は活かしきれないよと言われてしまえばそれまでですが。

ズームフライ3を履き始めの頃、強度の高めのランニングを行なった後は走行時の快適さとは反対に走り終わった後や翌日の疲労度が高いように感じました。実力プラスアルファの走りをシューズによって体験させてくれるのですから、体の動きとは裏腹に筋肉が悲鳴を上げているのかもしれません。

こういった疲労感に対して、最初はズームフライ3は自分には合わないのかな?と感じていましたが、履き続けていくうちに足が慣れ、最近では普通のランニングシューズとしてストレスなく履けるようになりました。

逆にズームフライ3やネクスト%のような厚底に慣れると、クッション&反発効果に足が慣れてくるようで、逆に薄底シューズを履いた時に疲労を感じるようになりました。

ズームフライ3の耐久性

ズームフライ3の耐久性は走り方にもよりますが、おおよそ400~600km程度であるかと考えています。

ランニングシューズの耐久性や寿命における要素は、ミッドソールのへたり、アウトソールのすり減り、シューズ全体の劣化などが挙げられますが、ズームフライ3のミッドソールはリアクトフォームという耐久性の高い素材が使われているので、すぐに反発性が薄れるという事もありません。

200km走行時の劣化状態

200km走ったタイミング。シューズ全体がヘタレてしまっている感じはありません
アウトソールの劣化状態
外側のみ少し削れていますが、まだ気にする状態ではないでしょう
ミッドソールの状態・かかと側に横筋が入り始めていますが、まだ十分な反発を味わえます

400km走行時の劣化状態

続いて400km走行時の状態です。

400km程走ると、シューズ自体がだいぶへたってきたように感じられ、履き心地もすこし変わってきます。

具体的にはフィット感が薄れているように感じます。

ただし耐久性はあまり衰えておらず、流石はナイキ リアクトと言ったところでしょうか。

写真からもミッドソールのヘタリがあまり感じられないことが分かるはずです。

アウトソールは劣化が目立ってきました。

着地ポイントはかなりすり減ってしまい中の機構が見えてしまっていますね。

雨天時など路面が濡れた状態ではグリップ性も落ちており、正直きついですが、反発性能が落ちているとは感じられませんので、もう少し走ってみたいと考えています。

550km走行時の劣化状態

続いて550km走行時の劣化状態です。ミッドソールの状態に関しては400km時点とさほど変わらずヘタリは感じられません。クッション・反発性能という観点ではあまり劣化は感じられません。

ただしアウトソールに関してはだいぶ劣化が目立ってきました。着地ポイントのすり減りが目立ち、天候の悪い日はグリップ性能が落ちている事も走っていてわかるようになってきました。

粘れば600~700kmくらいは耐えてくれそうですが、他にも履きたいシューズがありますし、今後入手するかもしれないズームフライ4との比較用にも残しておきたいので、550kmでズームフライ3を履くのはやめようと思います。

まとめ

今回紹介したナイキのズームフライ3。素晴らしい革新的なシューズであることは間違いなく、トップランナーたちがこぞってナイキの厚底を履く理由というのはしっかりと感じ取ることができました。

また、クッション性が強いのでヒールから入っても膝への負担が少なく感じます。膝を痛めやすい方は検討してみるのも良いかもしれません。

上位モデルであるネクスト%はお値段も可愛くありませんし、よりスピードレーサー用の位置付けとなっていますから、一般的なランニングシューズ価格でナイキの厚底シューズを履いてみたい方にズームフライ3はオススメのシューズです。

グンと走力が上がったような気持ちにさせてくれること間違いありません。

ナイキ(NIKE) ズームフライ3 ランニングシューズ AT8240 305 アクアラッシュ コレクション 駅伝 レースシューズ 厚底 カーボン (メンズ)
ズームフライ3

lifelog

フルマラソン3時間9分。サブ3を狙って毎月250〜300km走っている市民ランナーです。

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