記事内には広告リンクやPRが含まれます

ナイキ アルファフライとテンポネクストの違いを比較・走り比べての感想・耐久性

4 min 22,637 views
ナイキ アルファフライ マンゴー

ナイキの爆速シューズ、ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%です。

縁あってアルファフライネクスト%とテンポネクスト%の二つを保有してますので、走り比べてみた感想をお伝えします。

シューレースの違い

いきなり細かなところから入りますが、アルファフライ(左)とテンポネクストでは、使用しているシューレースが異なります。

テンポネクストが一般的なシューレースを使っているのに対して、アルファフライはもう少し薄手の素材で弱そうにも感じますが、凸凹した形状がズレを防ぐのか、シューレースを縛った瞬間から「靴ひもが走っている途中に解ける」を感じさせませんし、実際解けません。

このこだわりは面白いなと感じました。

履き心地の違いとアルファフライの軽さに驚く

アルファフライとテンポネクスト

履き心地に関しては、同じ27cmでもアルファフライの方にゆとりが感じられました。素材の違いによるものでしょう。と言ってもワンサイズ落とすほどではありません。

履いて歩いてみて、アルファフライのシューズの軽さに驚かされました。

テンポネクストが264gに対してアルファフライが208g程度。50g以上の差がありますが、50gってこんなに違うんだと感じます。

それと合わせてアルファフライはとにかく柔らかいです。

ヒールからの着地の柔らかさは圧倒的で、安定性だけでみたら間違いなくテンポネクストに軍配が上がるでしょう。

ちなみにこの軽さと柔らかさの差は、ミッドソールの違いが大きいです。

アルファフライ テンポネクスト ミッドソール

アルファフライがズームXというミッドソール素材だけで作られているのに対して、テンポネクストはズームXとリアクトフォームの複合ミッドソールになっています。

ズームXは、通常素材(EVA)より軽くてクッション性が圧倒的に高い素材ですが、その分耐久性に乏しい素材。リアクトフォームはズームXよりエナジーリターンは下がりますし重たい素材になりますが、耐久性は強い素材になります。

アルファフライがスピードを追求した作りになっているのに対して、テンポネクストが耐久性まで配慮されていることが分かりますね。

アウトソールの比較

下がテンポネクスト、上に乗っているのがアルファフライのアウトソールですが、テンポネクストはかかと部にもラバーが配置されているのに対して、アルファフライはかかと部にアウトソールが配置されていません。

その為、アルファフライでヒールストライクにて走ると、ズームXが柔らかい素材である上に、アウトソールもついていないので、ただの柔らかいシューズなだけになります。グリップもテンポネクストと比べたら弱いです。

ズームエアポッドとファイバープレート

アルファフライにもテンポネクストにも両方についているのがズームエアポッドです。このエアポッドをうまく活用することによって、これまでのシューズには無い反発力を生み出してくれます。

両者の大きな違いは、アルファフライはファイバープレートが搭載されているのに対して、テンポネクストはファイバープレートが搭載されていないということ。

写真はアルファフライですが、アウトソールの中心に穴が開いていて、「FLYPLATE」という文字が見えますが、この黒い部分がカーボンプレートになっています。

少し角度を変えてみると、分かりやすいですが、ミッドソールのズームXの真下にカーボンプレート 、その下にズームエアポッド、そしてアウトソールという連携になっていますね。

アルファフライはよりフォアフット走法で走るランナーがターゲット

実際に走ってみると、アルファフライはテンポネクストよりも軽いし反発もしっかり効くので、より楽にスピードは出ます。

本日14kmのペース走を行いましたが、自分の実力でキロ4:00前後の走行が心地よく走れたのには驚きました。

しかし、美味しいポイントというのでしょうか、カーボンプレートとズームエアポッドを活かしたアルファフライならではの恩恵を得られるポイントは限られているように感じました。

地面に対してエアポッドをどのようにぶつけてあげるかで、得られる反発は大きく異なってきます。

ミッドソールやアウトソールの違いからも分かるように、テンポネクストが幅広い層を受け入れられるシューズであるのに対して、アルファフライはフォアフットで走るランナーだけを受け入れるシューズです。

もちろんアルファフライでヒールストライクで走ることもできますが、ただの柔らかくてブニョブニョしただけの走行感ですし、ヒールから走り続けていたらあっという間に劣化を迎えてしまうことになるでしょう。

スピードは出るがフォアフットになれるまでは疲労感も強い

アルファフライもテンポネクストも、zoomエアポッドの反発力を活かした走行を行うことで、楽にスピードを出して気持ちよく走れます。

この走行にあった筋力がついていけば特段問題なく走れますが、足が慣れるまではこれまでとは異なる疲労感も感じるはずです。

初心者でも履ける?

アルファフライやテンポネクストといったシューズをランニング初心者でも履いてみたいと考える方は多いはずです。

個人的には趣味で走っているのであれば、まずどんなものか履いてみるのが良いと思いますし、実際に履いてみたらその性能は体感できると思います。間違いなく感動するはずです。

ただし、アルファフライ・テンポネクストの美味しいポイントを活かしながら走り続けるには、それなりの走力(走るための足)が必要であるとともに、フォアよりの走行ができないと恩恵を得ることは出来ないと思います。

アルファフライとテンポネクストの耐久性・寿命について

アルファフライは耐久性が低いため本番用、それを補う練習シューズが耐久性の高いテンポネクストという分け方が一般的な定説だと思いますが、実際にこの二つを履いてみて感じたのが、アルファフライは180km前後にて性能の衰えを感じ始めます。

具体的には180km前後で、「あれ?もっと反発しなかったっけ?自分の足が疲れているのかな?」と感じ始め、200kmあたりで「やっぱりシューズが劣化しているのだな」と感じ取れます。

それに対してテンポネクストですが、思いの外耐久性は高くなく、気持ちよく走れるのは200〜250km前後までだと感じました。

このあたりの距離になると一気に反発性がなくなり、厚底シューズの強みである「クッション・反発の高さ」が全く反対の性質になり、低反発枕の上を走っているかのような感覚になります。蹴る力をシューズに吸収されてしまうイメージです。

アルファフライにしてもテンポネクストにしても厚底シューズは購入当初の感動が大きい反面、性能の劣化も薄底シューズと比べて大きく感じます。

改めて両シューズの気持ちよく走れる耐久距離は、

  • アルファフライ:180~200km程度まで
  • テンポネクスト:200~250km程度まで

と考えておくのが良いでしょう。

具体的な耐久性は以下にまとめていますので、あわせて確認ください。

万人受けするのは間違いなくテンポネクスト・アルファフライを選ぶならそれなりの覚悟を

アルファフライとテンポネクストの二足を履き比べてみて、アルファフライの素晴らしさは体感できましたが、履きこなすにはそれなりの努力が必要になりそうです。

フルマラソンでテンポネクストを使用するのであれば42.195kmという距離をフォアフットで走れるだけの走力が必要で、それができるランナーは多くはありません。

また、強い反発を得るということは、その反発に耐えられるだけの筋力も必要です。ハーフ程度の距離であれば耐えられるかもしれませんが、フルマラソンの距離となるとなかなか厳しいものがありますよね。

そう言ったことを考えると、テンポネクストの方が幅広いランナーが履けるシューズに仕上げられており、その上でシューズ性能も高いです。カーボンプレートは非搭載ですが、反発性も驚くほど高く、ナイキの新型シューズならではの恩恵もしっかりと味わうことができます。

スピード性能としては圧倒的にアルファフライに軍配が上がりますが、フルマラソンでサブ3程度までであれば、テンポネクストの方が楽に走りきれるのではと個人的には感じました。(サブ3達成してから言え)

[ナイキ] エア ズーム テンポ ネクスト% フライニット メンズ ランニング シューズ Air Zoom Tempo Next% Flyknit FK CI9923-800, 26.0 cm [並行輸入品]
NIKE(ナイキ)
[ナイキ] エア ズーム アルファフライ ネクスト% メンズ ランニング シューズ Air Zoom Alphafly Next% Bright Mango Eliud Kipchoge CI9925-800, 26.0 cm [並行輸入品]
NIKE(ナイキ)

合わせてご覧ください

テンポネクスト、アルファフライはそれぞれ以下でレビューしてますので、合わせてご覧ください。

lifelog

フルマラソン3時間9分。サブ3を狙って毎月250〜300km走っている市民ランナーです。

カテゴリー:
関連記事