ナイキのカーボンプレート搭載・厚底シューズの現行モデル、アルファフライです。(正式名称は、ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%)
2020年のニューイヤー駅伝や箱根駅伝にてピンクのシューズ(ヴェイパーフライ ネクスト%)の装着率が圧倒的で、その後各ブランドからカーボンプレート搭載シューズが発売された事で、2021年はもう少しバラけるだろうと予想していましたが、2021年の主要レースも蓋を開けてみれば95%がナイキと、昨年以上の装着率となりましたね。
ここまでナイキが強く、ほとんどのランナーがナイキを履くと、シューズ性能の差が出ないわけですからある意味平等なレースなのかもしれません。
今回はナイキの現行カーボンプレートシューズ、アルファフライをレビューします。
目次
どんなランナーが書いてるの?
私は毎年6〜8足のランニングシューズを購入しています。年間で3000km前後走るため、耐久性の観点からも1〜2ヶ月のサイクルでシューズを交換しないと怪我にもつながってしまう為です。
それと合わせて様々なシューズを履き比べることで、各ブランドのコンセプトを感じ取るのが楽しくそれが趣味でもあります。
これまでカーボンプレート搭載シューズは5足履いてきました。
ナイキに関しては、ヴェイパーフライネクスト%の前のモデルであるヴェイパーフライ4%の時代から履いてますので、これまでの進化も含めて理解をしています。
私はフルマラソンベストタイムで3時間9分、サブ3チャレンジをするレベルの40代の市民ランナーです。その視線で書いてますので、この記事はサブ3〜サブ3.5レベルの走力の方向けの記事となります。
履いただけで分かる圧倒的な反発力
さっそくアルファフライの走行感についてお話しますが、アルファフライの反発力は圧倒的で、履いて一歩踏み出した瞬間にびっくりするほどのバネのような反発力を感じ取れます。
地面に足を着地して蹴り出すという一連の動作の中で、着地すると同時に大きなバネに圧力をかけていくかのような感覚で力を溜めこみ、蹴り出しで一気に放出するような感覚です。
他のカーボンプレート搭載シューズや、前モデルのヴェイパーフライでも素晴らしい反発力だと感じましたが、アルファフライはその上であること間違いありません。
アルファフライには、これまでのカーボンプレートとzoomXフォームと合わせ、zoomエアポッドという反発力をより強力にする仕組みが備えられています。
このzoomエアポッドを活かした走り方(着地ポイント・設置角度など)で着地し蹴り出すと楽して美味しい反発力を得ることができるわけです。
足を地面に着地させれば跳ねてくれるような感覚ですから、こんなに楽な事はありません。
あ〜こういう感覚なんだ!ってアルファフライで走るコツみたいなものを掴むと、是が非でも自分のものにしたくなります。
アルファフライはエリートランナー向けのランニングシューズだと言われていますが、サブ3.5以上の走力と筋力あるランナーであれば十分に恩恵を得られるはず。
まだアルファフライを履いたことがない方は、是非試してもらいたいし、一度は試さないと本当にもったいない。そんなレベルのシューズだと感じます。
アルファフライのデザインや仕様を紹介
それではデザインや仕様について紹介していきます。
サイドから見た写真ですが厚底に関わらず流れるような曲線が美しいです。この辺のデザインはナイキならですね。
アルファフライの厚底は何センチ?
さて、アルファフライは厚底シューズです。どれくらい厚底かを図ってみました。
フロント側zoomエアポッドの中央あたりで約4cm程度
ヒールの一番高くなっている箇所で5cm程度の厚みがあります。
この厚みのおかげで薄底シューズでは味わえないクッション性を得ることが可能です。
なお、楽にスピードを出して走れるという観点では素晴らしい実力をもつアルファフライですが、安定性という観点では薄底シューズには劣ります。
トラックなどなだらかカーブでは意識しないで大丈夫ですが、公道で直角に曲がるカーブなどでは、厚底ならではの不安定さが出てしまうので、油断してカクっとくじいてしまわないように注意したほうが良いです。
跳ね返りの強いソール素材zoomX・弱点は耐久性
ソールの素材には、ナイキのソール素材の中で最も軽く、柔らかく、そして反発性に優れたzoom Xフォームが採用されますが、このフォーム素材がアルファフライの一つの核と言われるべき素材です。
履いて歩くだけで味わえる跳ねるようなアルファフライ独特の感覚はzoomXのおかげです。
ただ弱点も一つあり、zoomXは耐久性が低いです。200km程度走るとzoomXならではの反発性がなくなり、ただ柔らかいだけの素材になってしまいます。
※アルファフライはの反発性は、zoomXフォームだけじゃなく、zoomエアポッド、カーボンプレートが交わって高い反発力を生み出していますので、zoomXフォームが寿命を迎えたとしてもある程度の高い走力は期待できます。
むき出しのカーボンプレートが面白い
カーボンプレートには、前モデルヴェイパーフライ ネクスト%ので使われていたプレートから更に改良されており、スムーズな体重移動と安定性を実現しています。
また、前足部側を硬めに設計することでランナーに推進力を感じさせると同時に、足首関節の負荷を抑えると言われています。
こちらはヒール側。後ろから撮影したアルファフライです。
5cmのモリモリなzoomXフォームが印象的ですが、アルファフライならではの美味しさを引き出すにはフォア着地の方が良いため、ヒール側のzoomXフォームはほぼ使わないランナーも多いはずです。
写真の通り、フォア側は硬めの黒いラバー素材で覆われていますが、ヒール側にはそもそもラバー素材が付いてません。
試験的にヒールストライクで走ることはありますが、5cmの厚みのあるzoomXフォームにより非常に柔らかく跳ねる走行感は得られるものの、安定感はありませんし、あっという間に劣化してしまうものと思われます。
基本的にはフォアフットで走ることを前提としたシューズであること間違いありません。
アッパー素材
アルファフライのサイズ感
ナイキのランニングシューズをこれまでに履いている方であれば同じサイズで問題はないかと思いますが、アシックスなど国産メーカーのシューズをメインに履かれていた方であればワンサイズ上を購入したほうが良いです。
私は、アシックス、アディダス、On、ナイキのシューズを好んで履いていますが、基本的には26.5cmです。ただ、アルファフライ(前回のヴェイパーフライも)に関してはワンサイズ上の27.cmでないとワイドがきつく感じます。
指先にはかなりの隙間は空くのですが、アルファフライが靴下で覆われるような履き心地であるのと、かかと側のクッションによってしっかりとフィットした履き心地です。
アルファフライの重量
アルファフライの耐久性と寿命について
アルファフライの耐久性と寿命について走行距離ごとの状態をお伝えします。
150km走行時のアルファフライ
200km走行時のアルファフライ
150kmから50kmほどしか走ってませんが、急に耐久性が落ちてきたような感じがしましたので、200km走行時の劣化状態を記載します。
まずサイドから見て感じ取れるのがzoomX素材のしわが150km走行時と比べて一気に増えました。
実際に走って感じ始めているのが、150km時には感じなかった反発性の衰えです。180km走行時あたりから、シューズの反発性が落ちたのか、自分の足が疲れているのかどっち変わらないけど、購入当初のようなクッション・反発力が味わえないという感覚が生じはじめました。
その後何度か履いても同じような感覚なので、シューズ性能が落ちているのだろうと解釈したわけです。そのため私の感覚の中では、アルファフライは180~200kmあたりで劣化を感じとれる事が確認できました。
と言っても200km前後では、まだ十分に走れる余力を持っているシューズだと感じています。
まとめ
実際にアルファフライを履いてみると、箱根駅伝やニューイヤー駅伝に出走するランナーがこぞってアルファフライを選ぶのが自分レベルのランナーでもしっかりと分かります。
他のシューズと比べると走り方のコツがありますので万人受けするシューズではないのかもしれませんが、一度はいたら履きこなしたいと感じるのは間違いありません。
サブ3.5以上のランナーであればぜひチャレンジしていただきたいシューズです。
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