サブ4というフルマラソンでの大きな称号を手に入れた後、多くのランナーが次に進むべき目標がサブ3.5です。
サブ4が5:40/km平均で走れば良かったのに対して、サブ3.5では4:58/kmと1kmあたり40秒以上ペースを上げていく必要がある為、サブ3.5を狙っていく上ではシューズ選びも重要になってきます。
サブ4をターゲットとしたシューズ選びではフィット感とクッション性に重きを置いていましたが、サブ3.5がターゲットになるとクッション性を落としたとしても軽くてスピードが出しやすいシューズ、そして反発性の高いシューズを選んでいく傾向にあります。
この記事ではサブ3.5を目指すにあたって、自分自身で実際に履いて良いなと体感したおすすめのランニングシューズを紹介します。
目次
サブ3.5目指すランナーのシューズ選び
サブ3.5ってどんな称号?難易度は?
サブ3.5はフルマラソンを3時間29分59秒以内で完走した事に対して得られる称号。しかしサブ3.5を達成するには、1kmあたりの平均ペースが4:58/kmと5分を切るペースで42.195kmを走らなければなりません。
感覚としてはサブ4はジョギングで達成できたけど、サブ3.5はランニングで42.195kmを走り続けるイメージです。
ちなみにサブ4達成率がマラソンランナーの30%(男性)、女性が12%程度となりますが、サブ3.5になると大幅に難易度が上がり、男性で12%程度、女性で3%程度という難関となります。
私はこの記事を書いている現在の記録が3時間9分で、サブ3.5達成ランナーとなりますが、サブ3.5をクリアするのに本当に苦労しました。サブ4・サブ3.5を達成することに対しての努力を雑に表現すると、「サブ4は頑張れば達成できた」・「サブ3.5はガムシャラに頑張って達成できた」という感覚です。
言い換えると、簡単に達成できる目標ではないけど、頑張れば到達可能な目標点と捉えられてもよいのかもしれません。
シューズのクッション性と反発性のバランスを意識する
サブ3.5を達成するためには、キロ当たり4:58と、5分を切るペースで走り続ける必要があります。サブ4レベルまではランニングシューズの重量はさほど気にせずに、それ以上にクッション性などを重要視しますが、サブ3.5では速いスピードを維持することが求められるので、クッション性と合わせて軽量性と反発性といったものが求められます。
重量は一定の軽さであればそれ以上はこだわらない
シューズの重量に関しては、最近の傾向では前モデルよりも重さは増やしつつクッション性や反発性を高めているシューズも多く存在しますが、サブ3.5をターゲットとしたランニングシューズは200g〜250g前後のシューズがメインで、軽いものだと200gを切るシューズもあります。
ただし軽ければ良いというわけではなく、足入れがフィットすると重さ以上に軽く感じますし、クッション性・反発性とのバランスもあります。なんとなくの目安程度で見るのが良いでしょう。
サブ3.5を目指すランナーにオススメのランニングシューズ
アディダス アディゼロ ジャパン
まず最初にご紹介するのが、アディダスのアディゼロジャパン。なぜ最初に紹介したかといえば、私自身がこのアディゼロジャパンでサブ3.5を達成したからです。
アディダスの誇る、クッション性と反発性を両立したソールテクノロジー「Boost(ブースト)」を採用しており、足を保護しながらBoostならではの反発力で、少ない力で前へと進んでいく事のできるシューズ。サブ3.5を達成した際のレースでは、後半疲れてきたタイミングではブーストの反発力のみを意識して走ったところ最後まで大幅なペースダウンする事なくサブ3.5を達成することができました。
なおアディゼロジャパンは、過去に男子マラソンの世界記録が生み出されたシューズでもあります。実力のあるランナーであれば何を履いても早いのですが、世界のトップランナーにも選ばれたシューズであることも事実で、とにかく底力のあるシューズです。
練習においてもジョグからスピード走までマルチにこなしますので、シューズで悩んだらこれ履いておけばOKというくらい個人的には推しのランニングシューズです。
ナイキ ズームフライ3
続いて紹介するのがナイキのズームフライ3。スピードの出せるランナーであればあるほどシューズの特性を発揮できるシューズで、サブ3.5を狙う走力があるのであればぜひ検討したい1足です。
ヴェイパーフライの兄弟モデルのような立ち位置で、近年話題の厚底シューズです。ズームフライ3のクッション性とカーボンファイバープレートが持つ推進力が素晴らしく、他のシューズでは体験できない反発力のある走りが体験できます。
なお、このシューズを履きこなすにはフォアフット(つま先着地)のフォームが確立しないと、本当の良さを生かせないと言った意見も耳にしますが、ヒールストライク(かかと着地)でも十分に恩恵を得られますよ。
重量は26.5cmで256gとやや重めですが、それ以上にクッション性と反発力が抜けているのであまり重さを感じることはありません。
※ナイキのシューズは他のブランドよりも細めに作られているので、私の場合は普段のランニングシューズよりも0.5cm大きいものをチョイスしています。
ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト%
2020年8月に発売されたばかりのナイキの最新作、テンポネクスト%もサブ3.5を目指すランナーに推したいシューズです。
元々はナイキの高速厚底シューズであるアルファフライの練習用シューズとして発売されたランニングシューズですが、カーボンプレートではなく複合素材のプレートが採用されたことで、反発力は下がりましたが、逆に足がそこまで出来ていないランナーでも履きこなせるランニングシューズになりました。
また、アッパー素材の改良によってフィット感が非常に高いシューズにもなっています。
ナイキからズームフライ3とテンポネクスト%の二つを紹介してしまいましたが、どちらを選ぶのがベストかといえば、サブ3.5を狙うのであればどちらでもOK。
ただし、よりスピード狙っていくのであれば間違いなくテンポネクスト%の方が上です。
ナイキの厚底シューズを並べると、「アルファフライ → テンポネクスト% → ズームフライ3」という感覚。
とは言いつつ誰にでもテンポネクスト%を推せるかというと、ズームフライ3と比較して実売価格で倍近くの値段の開きがありますので、財布に余裕があればテンポネクスト、余裕がなければズームフライ3という選択になります。
アシックス ターサーエッジ
続いてはアシックスのターサーシリーズ最新作であるターサーエッジ。
アシックスのターサーシリーズといえば昔から玄人好みの薄底シューズで、足入れ感、軽さ、地面を掴むグリップ力に定評のあるシューズですが、ターサーエッジはこれまでのターサーシリーズよりも多少重さを増やしつつ、クッション性と反発力を高めた作りになっています。
前作のターサージールはサブ3向けシューズでサブ3.5ランナーには敷居が高いと言ったイメージでしたが、ターサーエッジになってサブ3.5ランナーでも十分に履きこなせるシューズとなっているように感じます。
ちなみに私自身も普段のトレーニングではターサーエッジを履くことが多いですが、自分の走力がしっかりと出せるシューズという感覚が強いかもしれません。
On Cloud Flow
Onという近年人気が集まっているスイスブランドのランニングシューズ「On Clowd Flow」。
着地時の衝撃を和らげつつ、足前部への重心移動がスムーズで、自然な蹴り出しをサポートしてくれます。
「雲の上の様な・・・」というコピーがありますが、Onの独自開発クラウドテックというアウトソールでの走行感は、新しく買い換えた自動車のタイヤで走っている時の感覚に近く、足が転がっていく感覚を得られ気持ちよく走り続けられます。
地面着地時の抵抗・負担は少なく、蹴り出しはしっかりと蹴り出せる。こんな感覚のシューズです。
ランニングシューズっぽくないデザインも素晴らしく、ランニングシューズとして履き潰した後は普段履きとして使用できるのもおすすめのポイントです。
まとめ 練習用も兼ねて購入するならアディゼロジャパンを推し!
今回5足のサブ3.5向けランニングシューズを紹介してきました。
どのシューズも素晴らしいシューズでどれを選んでも間違いありませんが、その中で練習用も兼ねて一足を選ぶのであればアディダスのアディゼロジャパンを推したいです。
紹介したシューズの中ではアシックスのターサーエッジと並んで薄底のカテゴリに入ります。
厚底シューズのようなバネの様な反発で前へと進むことは出来ませんが、自身の走力がしっかりと走りに伝達できるシューズ。いわば自分自身の実力をしっかり出せるシューズです。
アディゼロジャパンのトピックを並べますと、
- 軽さ・クッション性・反発性・耐久性といったバランスが非常に優れている
- 自身の走力をしっかり出せる為、練習においても最高のシューズである
- アディダスのシューズは発売後半年も経過すると大幅ディスカウントされるのでリピートしやすい
特にサブ3.5を目指すのであれば月間200km前後の走行がベースになっているランナーが多いはずです。シューズの寿命は600km前後で、月200kmずつ走れば3ヶ月に1度は寿命を迎え交換する必要がありますから、手ごろな価格でリピート買いしやすいというのは大きな利点です。
それでいて、ランニングシューズとしてのバランスに優れていることから、是非推したい一足です。