2019年の東京マラソンで発表されたアシックスの最新ランニングシューズ、メタライド(ASICS METARIDE)。ランナーが少ない力でより長くより、楽しく走ることを可能にしたシューズで、長距離ランに対しての負荷を軽減してくれるということで話題になっています。
私は3/17に板橋Cityでフルマラソン走り、サブ3.5達成祝いということでメタライドを購入しました。購入後メタライドを履いてどうしても走りたくなり、フルマラソンを走った後1週間で55km走ってしまいました。本来であればしっかり休足を取らなければいけない1週間でこれだけの距離を走れたのは、メタライドに助けられた部分が非常に強いと感じています。
30km走、3時間LSDなど合わせ150kmを走りましたので、感触をレビューしたいと思います。
購入時の記事はこちら。
合わせてご覧ください。
アシックスメタライドレビュー
デザイン
まず注目するのはメタライドのデザイン。
つま先にかけて大きく反り上がったような形状で、見るからにしてこれでどんな風に走れるのだろうとワクワクします。
こちらは裏側から。
ソール部分に穴が空いており、こういったところで反発性と軽量性を高めているのだと感じます。
そのソール部分をみてみましょう。
赤いソールが華やかですね^^
このソールは、軽いミッドソール「FLYTEFOAM」と 衝撃緩衝材「GEL」の組み合わせにより、軽量で反発性があるだけでなく、クッション性に優れたソールになっているとのこと。
また、後ろ側の空洞が、ソール部分に繋がっていることが伝わるかと思います。
実際にメタライドを履いてみます。
メタライドのラインナップは写真の黒赤のみとなります。個人的には黒赤が大好きなので満足です。
履き心地
続いて履き心地です。
私、アシックスのシューズはランニングを始めた頃に少し履いていた程度で、本格的にランニングを始めてからは履いていませんでした。メタライドの履き心地は優しく足を包み込んでくれるような感覚で悪くありません。(なぜ上から?)
日本人の足に合うように作られていると聞いてはいますが、実際に履いてみると、なぜ今まで履かなかったのだろうと思えるほどしっくりきます。
ただ、足を動かしてみるとアキレス腱あたりの靴下と靴の生地の相性なのかスルッと抜けそうな感覚が生じました。サイズ的な問題なのかと思い、ワンサイズ小さめのメタライドも履かせてもらったり、ランニング用の靴下をお借りして試してみたけどそれは同じでした。このシューズ、自分には合わないと不安を感じたのですが、スタッフさんの勧めで店内を軽く走らせてもらうと、走っているときは抜ける感覚が柔でいたのでとりあえず買ってみるかと。
※実際に走っているときは抜ける感覚は生じないです。
メタライドの仕様なのかアシックスのシューズ全体に言えるものなのかよく分かりませんが、そういった感覚もあるということ先にお伝えしておきます。
また、シューズの重さに関しては、今度正式な重さは測ってみたいと思いますが、正直軽いとは思えませんでした。普段がadizero系の超軽量シューズを履いているため、それと比べてしまえば仕方ないのですが。
ただ、重たいとまではさほど感じられず、逆に重さがスムーズな足の振り子を作って走りやすくしてくれているようにも感じます。この設計については、メタライドの公式サイトにも下記のように記載されています。
独自の構造でシューズの重心を足の後ろに配置し、足を振りやすくすることでスピーディーで軽やかなストライドを実現します。
2019.03.30追記
メタライドの重さを測定してみました。
購入したのは26.5cmですが、右が299.0g、左が305.5gでした。左右で6.5gの差は誤差の範囲でしょう。他のランニングシューズでもよくあります。
次にメタライドを履いて立った時の感覚です。
メタライドを履いて普通に立っているときは、足のフロントが地面に付いていません。また重心バランスなのか前に進もうという力が生じますので違和感を感じました。この違和感は新感覚でしたね。
その立った状態から一歩二歩歩いてみると、
「おお!これがメタライドか!!」
という感覚が得られます。
前に進む際に、つま先側に重心が来たタイミングで「カクン・グンッ」前に進むイメージです。
これが少ない力で長距離を走れる工夫なのかもしれません。
ただ、この「カクン・グンッ」って感覚、走っている時の違和感に繋がらないのか?それも慣れなのか?と不安に感じましたが、走っていると「カクン・グンッ」という動きの中で前に進む感覚はありませんでした。実際には「カクン・グンッ」(語彙力すみません)ってなっているのだと思いますが、全く違和感としては感じられず、自然な推進力の中でスムーズに走れるように感じます。
実際に走ってみた結果
さて、このメタライドを履いて実際に3ランしました。
フルマラソンが終わって3日間の休足でしたので、足の痛みは無いものの完全に疲れが取れている状態ではありませんでしたがとにかく走りたくて。
5:30スタート、少しづつペースを上げて8キロ目で4:26まで。メタライドはスピードを出すシューズでは無いですが、それなりのスピード入れると転がる感覚を得られると聞いたものだったので試してみましたが、確かに悪くはありません。4:30-5:00位のペースなら気持ちよく走れそうな感覚を得ました。
なお、この日は雨上がりのランでしたが、一点あれ?と感じることもありました。
アスファルトの上は強いグリップ力で走っていくことができるのですが、横断歩道などや道路標識の白いラインを踏んだ際に妙に滑る感覚がありました。3回ほどラインの上でツルっと滑る体験をして、あれ?ランニングシューズってこんなに滑るものだっけ?と感じました。
そのラインは新しく引かれたものでしたのでそういった影響もあるかもしれませんが、雨の日や道路が濡れた日にメタライドを履いて走る際は注意した方がよろしいかと思います。
続いて翌日に2ラン目10キロ。
ここではキロ6:06ペースのスロージョグ。
前の日にそれなりの負荷を掛けているので疲れは残っている状態でしたが、このペースでのメタライド良いですね。
ソールのクッションが脚を守ってくれている感覚が伝わってきます。
3ラン目は1日間の休足を入れて32キロの長距離ラン。サブ4ペースを意識して走りました。
もちろん30キロ走は疲れましたけど、他のシューズでの30キロ走と比べるとかなり疲労は軽減されるようで、29-32までの最期の4キロはキロ5:00を切るペースで走ることができました。
また走り終えた後もしっかり脚は残っているのでその効果は本物だと感じます。
次は足の疲れを完全に取った状態で、最初からペースをあげて30キロ走してみたいですね。メタライドでサブ3.5ペースで走れるのであれば、それはそれでありかもしれません。
懸念事項
メタライドを使用していて懸念と感じたのが、とっさに横に動かなければならないときです。形からしても前へ進むことのみを優先してデザインされたようなシューズなため、突発的な横への動きには弱いようです。
ランニング中、突然自転車が飛び出してくるケースがあり、スッと横に逃げたのですが、メタライドの上げ底が影響して足を挫いてしまうアクシデントがありました。
同じ厚底シューズでもアシックスのウルトラブーストだとシューズの形状が横へも広がるデザインであるため、とっさに横に動く時の不安は感じませんが、メタライドではそのあたりの軍配は落ちそうですね。
まとめ
改めてアシックスが公表しているとおり、メタライドは疲れづらいです。
トレーニングの過程では、毎月それなりの距離は積みたいものですが、メタライドであれば間違いなく距離を積んでいけると感じます。
私に関しては、まずは本番レースというよりも疲れている時に履くランニングシューズ、LSDや長距離トレーニングを積みたい時のシューズとして重宝してしそうです。
ちなみに最近では、メタライドは日曜日用のシューズとなっています。
毎週、火曜日〜土曜日は負荷の高いトレーニングを行う。日曜日は距離は積むものの負荷はかけないトレーニングを行い足の疲れを蓄積させない。そして月曜日の休足へ繋ぐというパターンが多く、メタライドは足になるべく負担をかけず足を休ませつつも距離を積むというのに最適です。
27,000円(税込29,120円)という金額は痛かったですが、疲れを残さずに長距離練習を積めるのであればありがたいです。
また、マラソン初心者には是非検討に入れて頂きたいシューズだとも思えます。いきなり3万円はちょっと・・・と思ってしまうとは思いますが疲れにくさは怪我の軽減にも繋がるはず。ぜひ、視野に入れていただきたいシューズですね。合わない靴履いていきなり怪我してランニング嫌いになってしまうより絶対に良いと思います!
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