フルマラソンを目指して練習するのに、疲れづらく走りやすいランニングシューズが欲しい。できればレースでも使える本格的なシューズ。
そういったフルマラソン初心者層のランナーをはじめ、多くのランナーから高い支持を得ているのが、アディダスから発売されているウルトラブーストです。
ウルトラブーストは2015年より発売されているadidasのランニングシューズで、ランニングシューズとして素晴らしい機能性を持ちながら、スタイリッシュなデザインに評価も高くファッションアイテムとしても多く人に愛されています。
このシューズの最大の特徴はミッドソール全てにブーストフォームが使われていること。ブーストフォームはアディダスが開発したクッション素材で高い衝撃吸収性と反発力を備えており、その性能の高さから発売当時から一気に人気シューズとなりました。ブーストフォームのクッション性と反発性に助けられたランナーも多いのではと思います。
さて、アディダスの誇るウルトラブーストの最新モデルであるUltraboost20をベースに、レース仕様にアップデートを遂げた「Ultraboost PB」が2020年2月27日に発売されました。
ウルトラブーストPBを履き始めたところ、これまでのウルトラブーストとは全く違う走行感を得ることができましたので、普通のウルトラブーストとの違いもあわせてレビュー致します。
こちらは通常のウルトラブーストのレビュー。合わせてご覧ください。
ウルトラブーストPBレビュー
デザインと仕様の違い
まずウルトラブーストPBのデザインとこれまでのウルトラブーストとの違いをお話しします。
PBモデルは、これまでアディダスが手掛けたどのシューズよりも軽いメッシュアッパーを合わせているとのこと。フロントがオレンジ色に透けていますが、メッシュアッパーにより軽量化されるとともに通気性もかなり高くなりました。
普通のウルトラブーストと並べてみました。
普通のウルトラブースト(私の保有するウルトラブーストは19)は、素材も厚く通気性も低いため、夏場にランニングで履く気にはなれませんでした。また、通気性が高まっただけでなくシューズの素材自体が薄く作られています。サイドやかかと部分を見ても素材が薄くなっていることがわかりますね。
クローズアップするとメッシュ素材の違いが伝わるかと思いますが、全くの別物です。
これまでのウルトラブーストも冬の寒い時は暖かくて良いんですけどね。
重さ
一般的なウルトラブースト(上)とウルトラブーストPB(下)の重さの違い。これまでのタイプが約295g程度だったのに対して、PBは約285gと10g程度軽くなっています。
素材が薄くなっているのでもっと軽くなっているのかと思いましたが、10g程度の違いなのですね。
PBはウルトラブースト20をベースに設計されていますが、ウルトラブースト19からウルトラブースト20へのアップデートにあたって、これまでミッドソールに使われていた「ブースト素材」よりも使用量を20%増量しています。
私の感覚では、このブースト素材を増量したことにより全体重量が増したのだと推測しています。
こちらミッドソール部分を比較した写真ですが、PBの方がミッドソールが分厚くなっていることがわかります。
※これまでのウルトラブーストは1年履いているので多少潰れてしまっている可能性もあります。
布素材は薄くなったので軽量化された、ミッドソールはより厚くなったので重くなった、最終的には10g軽量化されたという感じでしょうか。走る上では期待できますね。
アウトソール
続いてアウトソールです。
アウトソールは従来と同じく、グリップ性と耐久性を兼ね備えた「コンチネンタルラバー」のアウトソールが採用されています。
ただ、ウルトラブースト19と比較するとコンチネンタルラバーの形状にアップデートが入っているようです。
ウルトラブースト19は丸が並んでいましたが、PBの方は横長の円になっており、それぞれ中央に切れ目が入っています。※丸とか語彙力すみません・・・
これによってグリップ力が向上するのかもしれませんね。
ウルトラブーストPBの履き心地と走行感
ウルトラブーストPBを履いて感じたのが、これまでと比べてしっかり足を固定されている感覚です。ウルトラブーストってランニングシューズとしても機能していましたがどちらかと言えばタウンユース向けな感覚でラフな履き心地だったんですよね。それがしっかりとランニングシューズとして仕上がっているように感じました。
ちなみにサイズはこれまで同様に26.5cmをチョイスしました。横幅も少しキツくなっているように感じましたが、何度か走って紐で調整していくうちにキツさの違和感はなくなり、しっくりとくる履き心地になりました。
さて、実際に走ってみて感じたのは、これまでのウルトラブーストとは全く異なるランニングシューズに仕上がっているということ。
端的に言えばクッション性が高く反発力もあり走りやすいシューズとなる訳ですが、これまでのウルトラブーストとの違いを比較すると、これまではブーストフォームの柔らかさが邪魔をしてしまい、横ぶれを感じることが多くありました。グニャグニャした履き心地と言えばわかりやすいでしょうか。
PBもブーストフォームの柔らかいクッショニングは健在ですが、横へのブレが無くなり安定感が高くなったこと。
あまりにもクッションが違うので、左右でそれぞれのウルトラブーストを履いて走ってみたのですが、ウルトラブースト19は横ぶれするのに対して、PBは一切のブレがありません。
また、そのクッショニングが前へと反発していく推進力もしっかりと感じられました。
走り方としては、ウルトラブーストのようにかかと部分までしっかりとクッション素材が詰まったシューズで走る際は、そのクッションを活かしながら走るのが個人的には好きです。かかとからしっかりと着地してあげ、ブーストの反発力を感じ取りながら前へと進んでいくイメージで走ると、そのクッション性に助けられて走れている感覚が伝わってきますよ。
どんなランナーにおすすめ?
まずウルトラブーストPBのターゲットについて、公式では以下のチャートが発表されています。
https://shop.adidas.jp/running/chart/
PBはタウンユースシューズでありつつも、しっかりとレースで記録を出せるシューズとしてカテゴライズされていますね。ターゲットタイムとしてはサブ4.5〜サブ3.5と言ったところでしょうか。
使い勝手の良いシューズであることは間違いなく、幅広いランナーが履けるシューズですが、まずお勧めしたいのはこれからフルマラソンに挑戦する初心者ランナーです。ブーストのクッション性は、まだ脚の出来上がっていないランナーをしっかりとサポートしてくれますから長時間走っても疲れづらいはず。
その上でレースでも戦えるレベルの履き心地を追求していますので、ランニングシューズとして優秀です。フルマラソン完走からサブ4、サブ3.5までは十分に戦えるシューズであること間違いありません。
また、シリアスランナーのトレーニングシューズとしても活躍すること間違いありません。Eペース走や長距離走など普段の練習で使い勝手のよいシューズだと感じました。
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