【On Cloudflow(オン クラウドフロー)】がモデルチェンジ。機能強化して更に走りやすくなったレーシングシューズ

On Cloudflow ランニングシューズ

2010年の登場から10年、ランニングシューズ業界で新風を巻き起こしているスイスのランニングシューズメーカーON(オン)。

クラウドテックという革新的な技術を武器に「雲の上を走れるような感覚のランニングシューズ」をコピーとして人気を集めています。また、性能の高さだけでなくデザインの素晴らしさからランナー以外でも日常使いのシューズとしてもファンが急増加しているブランドです。

そのOnの中でもランニング・マラソン用シューズとして人気が高いのが2016年11月3日にリリースされたOn Clowdflow。これまで数多くのランナーが自己ベストを記録し、名のあるレースで輝かしい勝利を重ねてきたOnを代表するモデルです。その初代モデルがリリースされてから3年、さらなる改善を加え2019年11月7日に新型のClowdflowが登場しました。

初代モデルとの比較も合わせてレビュー致します。

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On Clowdflow新型モデルレビュー

ランニングシューズ業界の開発サイクルは短く、多くのブランドが1年周期で新型モデルを発売しています。

毎年秋から冬にかけて各メーカーその年の主要モデルのセールが始まり、その後マイナーアップデートした新型モデルが登場するという流れ。アシックスのターサーシリーズなどは1983年から毎年常に改良モデルが発売されていますよね。型落ちではあるがその年の流行モデルを安く購入できる秋冬を楽しみにしているランナーも多いはず。

そんなランニングシューズ業界において、Cloudflowは3年という長いサイクル。毎年新型シューズが出回るランニングシューズ業界の中で3年同じものが色褪せずに人気シューズとして売れ続けるというのは単純に素晴らしいシューズだからとしか言いようがありません。

では機能面の強化から見ていきましょう。

スーパーフォームHelion (ヘリオン)の採用

Helion

今回のリニューアルで最大のポイントとなるのが、Onが独自開発したHelion (ヘリオン)スーパーフォームを採用していること。路面の状況に順応する18個のクラウドパーツとHelionスーパーフォームが、改良されたSpeedboardと融合し、着地の衝撃を推進力へ変化させ加速へと導きます。

ランニングシューズとして必要なのは着地の強い衝撃から足を守るクッション性と前へと進ませる反発性のバランス。クッション性が高ければ足への衝撃が和らげる反面、前へと進む推進力も吸収されてしまいます。逆に反発性が高いシューズはクッション性が低く足への負担が高くなってしまうわけです。

Helionは、これまでのフォーム素材では実現の難しかった、相反するいくつもの性質を高度に融合したスーパーフォーム。安定性がある硬い素材と、弾力性がある柔らかい素材の組み合わせでつくられており、重量を増すことなく高い耐久性を実現し、クッション性を失うことなく反発性を高めることに成功。また、温度変化耐性にも優れており、どのような気温や気候でもクッション性を保ち路面から脚を守り、高いパフォーマンスを引き出すことができるのだと言われています。

実際、初期モデルのクラウドフローと重量はほとんど変わっておらず、ランニングシューズとして大切な重量を増やすことなく、性能アップに繋げているのはシンプルに嬉しいポイントですね。
on cloudflowの重量
上段が初期モデルのCloudflow、下段が新型のCloudflow。初期モデルがUS M8、新型がUS M8.5とサイズがワンサイズ異なるため多少の重量の違いがありますが、同じM8.5であればほぼ同じ重さを実現しています。

なおサイズ感としてUS M8.5は26.5cmとほぼ同等ですが、アシックス・アディダスなど他ブランドと同じサイズ感で大丈夫でした。一つ下のM8.0(26.0cm)でも履けないことはありませんが長距離走っていると親指が当たって血豆が出来ましたので新モデルを購入した際はワンサイズ上のM8.5をチョイスしました。


アッパー素材としては前モデルで評価の高かったスイスエンジニアードのメッシュアッパーを採用。軽量設計に加え、疲労した足のサポート力を強化し、シューズの中に空気が流れるような通気性がポイントです。(通気性が良いからって冬寒いわけではないのでご安心を。夏蒸れずに走れるってイメージですね)

靴紐を通すシュータン中央部に伸縮性のストラップバンドがあるのが分かりますでしょうか。このバンドを配置し、結んだ後の靴紐を格納することで靴ひもが邪魔になること・走行中に靴紐が解けるリスクを大幅に軽減してくれています。このバンドも新モデルで機能強化されたポイントになります。

クラウドテックの形状にも改善

Onといえばクラウドテック。キャタピラーのように見えるOnのアウトソールであるクラウドテックはひとつひとつが中空のブロックになっており、接地の際にブロックがつぶれ、蹴り出しの際はつぶれたブロックがバネのように復元します。これによって走行時の衝撃を吸収するとともにパワフルな蹴りだしを可能にしています。もともとゴムホースを短く切ったものをいくつもソールに貼り付けてテストした際に、そのクッションシステムとしての優位性を確認し、そこから開発がスタートしたと聞きます。

そんなクラウドテックにも石ころ問題という課題がありました。クラウドテックとクラウドテックの間の隙間に石ころが挟まってしまい走行時に違和感を感じてしまうものです。

実際のところ走行時に石ころが詰まっても、ほとんどの場合は最初は気になりつつも走っているうちに隙間の中に埋め込まれてしまうためそこまで走りを妨害することにはなりませんが、石ころが詰まった時は「あ、石ころ詰まった」という感触は伝わってきます。


新しいCloudflowではクラウドテックの形状を修正しており、角を切り取ることによって、石ころが詰まる問題を軽減してくれています。こういったアップデートはありがたいですね。

とは言いつつも100%石ころが入らないわけではなく、

こういった大きな石ころがハマってしまうこともたまに。100km走ってこれだけ大きな石ころは1回だけですが、走るのに気にならない程度の小さな石ころは2回ほど詰まりました。一般的な道路を走っているときは詰まることありませんが、砂利道を走る際はどうしようもありません^^;


並べて分かったのですが、新しいCloudflowの方がクラウドテック部分に厚みを持たせているようです。

Cloudflowの寿命


こちらは新しいCloudflowと800km走行した前モデルのCloudflowです。実際にはランニング以外の普段履きとしても1年間まるまる使っていましたので、少なくとも1000km以上は履き込んでいます。

800km以上走ってもこの程度のすり減り具合ですから、耐久性はかなり高い方だと感じます。Helionが搭載されたことによってこの寿命がどう変わるかは気になるところですが、それは数ヶ月走ってみて確認してみましょう。

足入れ感と走行感

On Cloudflow
新しいCloudflowを購入してから約100km程度走りましたので、実際の走行感についてもお話しします。

Onのシューズ全体に言えることですが、海外性ブランドのわりにはにフィット性がとても高いです。ナイキなどは細めに作られていてワンサイズ上のシューズをチョイスして紐で調整するなど自分の足に合わないものが多いのですが、Onのシューズは気持ちよく履けます。足入れ感は個々の足型によって違うと思いますが個人的にはOnの足入れ感好きですね。26.5cmを使用し始めてからは変な締め付けや当たる部分もありませんし、長距離走っていても違和感を感じることもありません。


個人的に練習メニューによってシューズを変えますが、Cloudflowはバランスが取れているので、普通のジョグからMペース走、長距離、スピード練習など一通りのトレーニングをこのシューズ一つで対応してくれます。走り出す前にトレーニングメニューに悩む時もありますが、悩んだときはとりあえずCloudflowって感じで履いてしまうシューズです。

シューズのターゲットですが、ランニングシューズを比較する際によくあるサブ3向け・サブ3.5向け・サブ4向けといったカテゴリ分けはOnにはありませんが、私はサブ4を達成した頃から現在(サブ3を狙っているタイミング)までずっと履き続けています。

とは言いつつ今現在保有している複数のシューズの中で、このシューズでサブ3を狙いにいくかと言えばそれはないと思います。バランスの取れたシューズではありますが、サブ3を狙いにいくには少し重さがありますし、間違いなくヴェイパーフライやターサーエッジのようにスピードを出しやすいシューズを選ぶでしょう。

尚、シューズの走行感を表現する際に「空気を入れたばかりのタイヤで走っているような感覚」・「空気の抜けたタイヤで走っているような感覚」といった言葉を使います。新しいCloudflowは間違いなく空気を入れたばかりのタイヤで、足がスムーズに転がっていく感覚はもちろん、前モデルと比べて地面に着地した際に粘りを感じられるようになりました。

多くのランナーに合うシューズだと感じますので、おしゃれで高機能なランニングシューズを希望する方はぜひ検討してみると良いかと思います。