スタイリッシュで機能的。履くだけでランの楽しさを感じさせてくれるのがスイス生まれのOn。
複数のラインナップを展開するOnの中で今回紹介するCloudは、走ってよし・普段履きにも良しと一足でどこでも使えるマルチで活躍するランニングシューズです。
キャッチコピーに関しても、【世界中の数百万のランナーたちから愛されるOnのベストセラーシューズ。ランニングだけではなく、普段使いにもぴったり。この一足でもっとアクティブな毎日を。】とうたっており、一見中途半端なシューズにも感じてしまいますが、これだけマルチタスクをこなすシューズは私の中では他になく、使用頻度の高いシューズとなっています。
私とcloudの付き合いは二足目。一足目は走行距離500kmを超えて少し劣化を感じ始めたタイミング。新しいモデルのCloudはデザインのアップデートがあり、前作のCloudより扱いやすいシューズになっています。
On Cloud レビュー
走行感
まずcloudの走行感ですが、履いて走って最初に感じたのが「おお、足が転がる!」というもの。着地の衝撃で生まれるエネルギーが推進力に変わり前へグングンと進んでいく事が感じられます。クッショニングとしては着地感がダイレクトに伝わってくる硬めのタイプ。しっかりと空気が入ったタイヤで走行している感覚をイメージしてもらうと良いかもしれません。
同じOnの中ではレーシングシューズとしても定評のあるCloud flow(前モデル)に近い感覚がありますね。
こちらがcloudのアウトソール。軽さを追求しつつ高いグリップ力と耐久性を実現させたZero-Gravity Foam (ゼログラヴィティフォーム)が採用されています。ちなみにゼログラヴィティフォームの間から見える黒い部分がonのSpeedboardという秘密兵器。着地を爆発的な蹴り出しへと変換し推進力を生み出すパーツです。
また、驚くべきはこのシューズの軽さで26.5cmで片足210gを実現しています。一般的なレーシングシューズと同じレベルの重さを実現しているマルチで履けるシューズってレベル高すぎです。
さて、cloudの特徴は走りやすさだけではありません。写真の靴紐の部分を見ていただきたいのですが、足をシューズに滑り込ませるだけで履ける仕様になっているのも大きな特徴の一つです。
さっと履けて紐を結ぶ必要もありませんし、足にぴったりとフィットするのでランニング中にズレることもありません。
この機能の正式名称は「イージーエントリーシューレースシステム」。購入時に靴紐も付いてきますが、私はこのイージーエントリーシューレースシステムが断然のお気に入りになっています。
cloudの耐久性
こちらCloudを履き始めてから500kmが経過したところ。アウトソールが磨り減り初めています。個人的にトレーニング用のランニングシューズの寿命(買い替え・交換時期)は800km程度としていますが、残り300km程度であれば頑張ってくれそうですね。(頑張ってくれ!)
旧モデルとの比較
旧型(左)と新型(右)のCloudです。機能やデザインの変更がありますので見ていきましょう。
まず大きく変わったのがCloudTec(ポコポコとしたアウトソール)の形状。
前モデルと比べると内側のエッジが取れています。こちら前モデルで課題だった小石が詰まってしまう問題を解消するためにエッジを取ったようで、この形状にしたことで小石が詰まりにくく改善されたようです。
続いて細かなデザイン変更について。
いくつか写真を並べます。
上から見るとタン部分のデザインが変わっています。
フロントから。この角度ではデザイン的な違いは見当たりません。
後ろから。踵周りのデザインは大きく変わりました。前モデルで付いていた白い横長のゴムが無くなりonの印字も変わりました。
横から見た写真も置いておきます。
細かな部分でのデザイン変更は複数見受けられますね。
まとめ
Onはもともとランニングシューズっぽくない特徴的なデザインが魅力なシューズですが、今回のアップデートでよりスタイリッシュになりました。さっと履けて履き心地もよく、それでいてカッコ良い。今回手に入れたグレーという色合いもどんな服装にも合わせられそうで、ランニング時のみならず普段使いのシューズとして着用頻度の高いシューズとなりそうです。
なお、冒頭にてマルチタスクをこなせるシューズと書きましたが、「ランニング時もそれ以外の普段使いでも」という意味だけではありません。
ランの一般的なトレーニング時は、スピード練習ではこのシューズ、疲労抜きジョグにはこのシューズなどとメニューによってシューズは履き替えるのが基本ですが、スピードトレーニングからジョグまで様々なトレーニングにてCloud一足でこなしてくれて、どんなトレーニングにおいても良いパフォーマンスを発揮してくれています。この辺りのオールマイティーさは本当に素晴らしいなと感じています。
Cloudをレースで使用するかどうかとなると、レースモデルとしてもっと良いシューズは沢山ありますが、定価13,800円(税抜き)とハイスペックランニングシューズの中では比較的お手頃な価格ですし、練習時・普段履きなど使用頻度を考えると一足持っていて損はない素晴らしいシューズだと感じます。