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【オン クラウドサーファー】周囲の評価は高いが合わなかったシューズ。履き心地は最高・走行は空気の抜けたタイヤ感が残念。

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クラウドサーファー

走ることと合わせて、様々なランニングシューズを履くことも楽しみの一つ。

ランニングシューズは様々で、とにかく軽くスピードの出しやすいもの、クッション性が高く疲れが軽減できるもの、またその中間などランナーの属性や走る目的に合わせて様々なシューズが発売されています。

また、シューズの履き心地も各シューズ様々です。履いた瞬間ピンと来るシューズ、形が足に合わずそのシューズを履くだけで指や爪を痛めてしまうシューズなど様々で、特にフルマラソンのように長距離を走る相棒としてはこの履き心地がとにかく重要であったりもします。

さて、履き心地は良かったけど、走りという観点でどうしても自分には合わなかったシューズがあります。それがオンから発売されているクラウドサーファー。

今回はこのクラウドサーファーについて紹介いたします。

On クラウドサーファーレビュー

On クラウドサーファー
クラウドサーファーはOnの創業モデルのシューズです。Onは2010年の創業と非常に若い企業ですが、このクラウドサーファーによってオンというブランドが世界に知れ渡っていきました。

その為、このクラウドサーファーが世界から賞賛された素晴らしいシューズであることは間違いありません。

クラウドサーファーの特徴

簡単にクラウドサーファーの特徴について。

素晴らしい履き心地を実現したエンジニアードメッシュ


まず、「エンジニアードメッシュ」と呼ばれるアッパー構造が採用されいてます。

エンジニアードメッシュというのは、一枚の生地の中で編み方を変える技術(手法)。
フレキシブルに動かしたい部位や通気性の必要な部位は緩く編み、サポートの必要なフォア部位はメッシュを細かく密に編みこまれて蹴り出しやすくなっています。これにより足の部位によってフィッティング性・通気性・サポート性がそれぞれ最適化されています。

エンジニアードメッシュ
写真は手前クラウドフローと奥がクラウドサーファー。クラウドサーファーのエンジニアードメッシュの評価が高かったことから、クラウドフローでもエンジニアードメッシュが採用されました。

走りに影響するオンのソール

クラウドサーファーのソール
Onのソールにはいくつかの大きなパターンがあり、クラウドサーファーに採用されているソールはリバウンドラバーと呼ばれるもの。
特徴としては強いクッションと弾むような反発力。名前の通り「ゴムが跳ね返る」がコンセプトでしょう。

もう一つのソールパターンが、クラウドフローなどに採用されている、ミッドソール部分に空洞を開けた「ゼログラビティフォーム」と言われるもの。クラウドフロー以外にも、「クラウド」や「クラウドX」などに採用されています。


左がクラウドフローのゼログラビティフォーム、右がクラウドサーファーのリバウンドラバー。

履き心地

クラウドサーファー
さて実際の履き心地です。私はクラウドフローの履き心地に惚れたこともありクラウドサーファーを購入しました。

サイズは26.5cmをチョイスしており、このサイズは私のランニングシューズのベースになっているもの。(一般的なシューズでは25.5〜26.0cmをチョイスしており、それよりも少し大き目を履いています)私の足は一般的な日本人の足型(幅広・甲高)ですが、どこかが当たってしまうことはなく、足を包み込むような良い感覚を得られます。

走り始めてからもスピードを入れる・緩めるなど様々な走りでも快適性をキープしてくれるこの感覚はさすがエンジニアードメッシュだと感じます。

なお、走行中の履き心地だけでなく、普段履きシューズとしてもエンジニアードメッシュは素晴らしいですよ。クラウドフローはすでに800km走っており、ランニングシューズとしてはお役目終了、現在は普段履きのシューズとして活躍してもらっています。

走り心地


さて、実際の走行感。
リバウンドラバーが採用されたソールは写真の通りの柔らかさです。これから履くタイミングでは、「強いクッションと弾むような反発力」を期待しました。

しかし実際に走ってみて感じたことは、足を着地させた時のクッションになっている事は間違いありませんが、そこから反発して蹴り出しをフォローするのではなく、蹴り出す力を吸収されてしまっているような感覚に陥りました。

イメージで伝えると、「空気の入っていないタイヤを履いて走っているような感覚」です。

逆にクラウドフローは、しっかりと空気の入った新品タイヤのような感覚。走っていて足が自然と前に転がる感覚が得られますからこの差には驚きました。

なお、スピードを出さないジョグ程度の走りでは走りづらさは感じません。ペースでいえばキロ5:30より遅いペースでのランニングでは程よいクッショニングを感じられます。

そこから少しずつスピードを上げていき、5:00前後のペースでは特別感じることはなく、4:30前後だと踏み出しに対して足の重さを感じます。
キロ4:00前後まで上げるとシューズの重さ・クッショニングの悪さを走力でカバーして走っているという感覚に陥ります。

現在クラウドサーファーを履き始めて200km程度走り込んでます。どんな走り方をした時にこのシューズの良さを見いだせるのかは気になって諸々試してきましたが、スピードを出すという点においては正直このシューズのよさは見出せておりません。

スピードも出せるシューズと評価されているため期待してしまいますが、あまり踏み込む力を必要としない緩めのジョグ程度で効果を発揮するシューズなのかもしれませんね。

ネット等で情報を見てみると、「クラウドサーファーでも3分台で走れる」「リバウンドラバーを履きこなせた時は素晴らしい力を発揮する」といったことが書かれてますので、私が履きこなせていないだけなのかもしれませんが、ランナーの走力によって合うシューズ・合わないシューズは異なってくることを考えるとちょっと表現に違和感を感じます。

「フルマラソン完走を目指すランナーが履きこなせれば素晴らしい力を発揮する」ならもちろん納得できますが。

なお、もう一つ考えられるのはランナーの体重。私は70kg台とランナーとしては少し重たい部類です。(絶賛減量中)
60kgのランナーが履いた時に得られるクッショニングと70kgの私が履いた時に得られるクッショニングは当然異なってくるでしょうから、その辺りも影響してくるのかもしれません。

ちなみにクラウドサーファーの重量は26.5cmで以下の通り。
クラウドサーファーの重量
左が296.5g、右が301.0gとそれなりの重量です。
※クラウドフローは両足222g程度ですので、約80gの差。

オンのコンセプトからか、サブ4ならこれ、サブ5ならこのシューズと言ったランナーのチャート分類はしてませんのでわかりづらくなる部分もあるのですが、3分台で走れると言われても少なくともサブ4、サブ3.5、サブ3を狙うランナーがレースで履くシューズでないことは事実でしょう。

個人的には、リバウンドラバーが採用されたオンではなく、クラウドフローなどゼログラビティフォームが採用されたシューズを推したいです。

lifelog

フルマラソン3時間9分。サブ3を狙って毎月250〜300km走っている市民ランナーです。

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