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アディゼロボストン9 レビュー・使用頻度の高いマルチなシューズ・アディゼロジャパンとの違いも合わせて比較評価

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アディゼロボストン9

アディダス・アディゼロシリーズの中で、サブ4~サブ5までをターゲットにしつつ、サブ3クラスのシリアスランナーやファンランナーまで幅広い層に親しまれているのが、アディゼロボストン(Adizero Boston)です。

私自身、アディゼロボストンを履くのは、2021年時点最新モデルあるアディゼロボストン9が初めてですが、履き始めてすぐに、最も使用頻度が高くマルチな練習で履けるランニングシューズになりました。

またアディゼロボストンは、アディゼロジャパンとも比較されやすいシューズですが、この二つは似たようなポジションにありつつも全く異なる走行感。

アディゼロボストン9のレビューと合わせ、ボストンとジャパンの違いも記載します。

アディゼロ ボストン 9 レビュー

アディゼロボストンはアディゼロシリーズの中で、チャート的にはサブ4~サブ5を目標とするランナーのレース&トレーニング用、そしてサブ3.5以上を狙うシリアスランナーやサブ3を切るエリートランナーにはトレーニング用というポジションです。

アディゼロシリーズの中で、他のアディゼロプロ、匠戦、ジャパンなどは走力に応じたターゲットを決めて発売されていますが、ボストンだけは全ランナーが対象といった立ち位置です。

デザイン

アディゼロボストン3や8などの前モデルを履いていないため、これまでのシリーズとの違いは判りませんが、全体的な見た目としては特徴がないのが特徴と言えるほどオーソドックスな印象があり、これはアディゼロジャパンと統一した雰囲気を感じさせられます。

アディゼロボストン9とアディゼロジャパン5
左アディゼロボストン9、右アディゼロジャパン5

アディダスの誇るミッドソール素材

アディゼロボストンには、他のアディゼロシリーズ同様、アディダスの誇るミッドソール素材であるクッション性の高いブーストと反発性の高いLIGHTSTRIKEが採用されています。

  • ブースト素材:クッション性と反発性という相反する特性を1つにまとめて生まれたミッドソール素材
  • LIGHTSTRIKE:一般的なEVA素材よりも40%ほど軽く、反発性の高さが特徴のミッドソール素材

ボストンとジャパンと比較したときに大きな違いが出るのが、ブースト素材とLIGHTSTRIKE素材の使い方。

まずブースト素材に関して、ジャパンはかかとのみブースト素材がむき出しになっていますが、ボストンはフロントよりの位置からブーストが見えます。

上の写真では、ジャパンはかかと側のみにブーストが配置されているように見えますが、厳密にはフロント側にもブーストが使われています。

アディゼロジャパンのフロント側のブースト配置

ブーストの周囲をLIGHTSTRIKEで包むような配置になっており、クッショニングよりも反発を高めるレイアウトになっています。

アディゼロボストン9のフロント側のブースト配置

ボストンは広い面でブーストが採用されており、反発よりもクッショニングを重視するレイアウトです。

アディゼロシリーズは、それぞれの種類によってブーストとLIGHTSTRIKEの配置を変えていますが、配置によってどの層をターゲットにしているのかがイメージできます。

アウトソール

続いてアウトソール。アウトソールはアディダスの誇るコンチネンタル素材が採用されています。コンチネンタル素材は、自動車やレース用の自転車に採用されている素材でグリップ力に定評があります。

個人的にはコンチネンタル素材のグリップ力には絶対的な信頼があり、雨天時でも滑りづらく地面をしっかりと噛んで走らせてくれます。

下の写真を見るとわかりますが、コンチネンタル素材を厚く盛っているので、耐久性も期待できそうです。

アディゼロジャパンとの違いも見ていきます。

左がアディゼロボストン9、右がアディゼロジャパン5のアウトソール

ボストンもジャパンもレイアウトは違えど同じコンチネンタル素材を採用しており、背面から見て大きく違いが判るのがシャンク部分です。(真ん中に見える骨組みのような部分)

シャンクは、硬い素材でできている背骨の様なパーツで、走行中の不安定さを防ぐとともに、このシャンクプレートが反発力を生み出す原動にも繋がります。合わせて長距離を走っていると、疲労蓄積から着地から蹴り出しの流れが不安定になりますが、シャンクプレートは足のねじれを軽減してくれる機能を持っています。

私自身、シャンクの形状については素人なので間違っていたら申し訳ないですが、アディゼロジャパンのシャンク形状は匠戦の形状にも似ていることから、ランナーとして足ができており、スピードを出したときに中心から反発を生み出す形状、ボストンは左右を固定するような形状となっていることから、より安定性を高める形状なのかなと感じています。

履き心地

2020年以降のアディゼロシリーズは統一した改良が図られており、特にシュータン周りの形状が大きく変わりました。

具体的にはシュータンがシュータンとしての機能だけではなく、足を包み込む袋のような形状となっており、足を入れると、シューズが足に吸着されるようなフィット感を得られます。

アディゼロボストン9もその流れを汲んでおり、履き心地としては申し分ありません。

またその包み込む袋は伸縮性のある素材ですので、人それぞれ足の形状は異なりますが、オールマイティにフィットするものだと感じます。

26.5cmで241g程度の重さがありますが、完全に足にフィットするため、履いてて重さを感じることもないはずです。

ちなみに同じ26.5cmサイズのアディゼロジャパンの重さが216gと25gの開きがあります。足を包み込む感覚はボストンもジャパンも変わりありませんので、履き比べたらジャパンの方が軽く感じることは間違いありません。

アディゼロボストン9の走行感

私がアディゼロボストン9をどんなシーンで履いているかというと、eペース走、緩いジョグ、山道や砂利道・起伏の激しい不整地ラン、そしてポイント練習時のアップ、ダウンなど幅広いシーンで履いています。

逆にインターバルやレペ、ペース走で履くことはありません。スピードを出すケースでは、より反発を得られるアディゼロジャパンや匠戦にバトンタッチします。

ボストンは、程よいクッショニングの中で走り続けられるのが心地よいです。

ブーストは柔らかい素材ですが、その柔らかさで足を受け止めた後に、その上でカバーするLIGHTSTRIKEがしっかり反発を推進してくれます。

柔らかく着地しつつ、そのあとでしっかりと反発を生んでくれるというランニングシューズに求める理想形がここに有るわけですが、ボストンはフロントからかかとまで全般的にブーストが効きますので、フォアフット・ミッドフット・ヒールストライクなどどんな着地のランナーであっても同じ恩恵が得られる感覚です。

なお、アディゼロジャパンの走行感は、ボストンと比較すると硬めでより反発が強くなります。ヒール着地だとさほど違いは感じませんが、フォアよりの着地だと反発の違いがしっかりと伝わってきます。

着地から蹴りがダイレクトに反発として返ってくるためキビキビとした走りができ、レースペースで走るペース走やインターバル走により向いているシューズだと感じます。

まとめ

アディゼロボストンは、アディダスがコンセプトとして打ち出しているように、幅広い層のランナーに重宝されるシューズで、サブ4~サブ5クラスのランナーであれば日々の練習から本番レースまでしっかりと活躍してくれるシューズです。

また、サブ3、サブ3.5を狙うシリアスランナーにおいても日々のトレーニングで履きどころ満載のシューズである事間違いありません。

定価は13,200円ですが、アディダスは同じ型のシューズでも新色が出ると古いカラーのモデルは値下がりするケースが多く、7,000円~10,000円でも販売されることが多いです。

継続的にお付き合いしていくシューズとして推せるシューズである事、間違いありません。

lifelog

フルマラソン3時間9分。サブ3を狙って毎月250〜300km走っている市民ランナーです。

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